トランプ関税とクリスマス商戦の失速 (2025/12/25)
日本経済にとって、今年の一大事はトランプ関税だった。話題の中心は、自動車・自動車部品、通信機器、はたまた半導体と、基幹産業に係るもが多い。とは言え、自動車であれば、一時期販売は落ち込んだものの、少なくともトヨタの業績は好調である。
では米国産業への影響はどうだったのだろうか。実は一番多聞く影響を受けたのは、小物を取り扱うファミリービジネスである。その一つが玩具。かつて、米国の玩具は国内で製造されたが、1970年代には生産が海外に移った。今や、玩具の多くは中国製である。
トランプが放った相互関税はそんなファミリービジネスを直撃した。玩具の販売で、クリスマスは1年で最大の商戦である。単価数ドルから数十ドル程度の商品が大半を占めるそんな事業者の頭上に、この4月に145%の関税と言う話が突如降ってきた。マージンの薄い小規模事業者にとって、喩え数百万円のコスト増でも資金繰りが立ちゆかなくなる由々しき問題になる。
クリスマスを目指して中国で生産委託したものの、商品を米国に持ち込むには事前に関税を納めなければならない。関税が払えず、商品は中国の倉庫で足止めを食らう。結局、今年のクリスマス商戦はトランプ関税で大きく失速した。
トランプ関税に対して、主に小売に関わる事業者が違法であると裁判を起こし一審と二審で違法が認められた。現在、最高裁が審議を行う。メディアの情報によれば、最高裁が違法(正確には大統領が勝手に関税を変えることはできない)という判断を下すのではないかと見られる。もしそうなれば、140兆ドルという多額の関税が払い戻しされる*/。
トランプはそのような事態になれば国にとって「破滅的」と言うが、それは自らが起こした災害である。
*/ 裁判は国際緊急経済権限法(IEEPA, International Emergency Economic Powers Act)を根拠とする関税部分であり、いわゆるトランプ関税全てがなくなるわけではない。通商法(Trade Act)、通商拡大法(Trade Expansion Act)、関税法(Tariff Act)などに基づくものもある。