立憲民主党、どの口が言うか――ガソリン暫定税率の廃止法案 (2025/6/19)
ガソリン暫定税率の廃止法案を巡って、昨日、野党は法案の審議入りを認めない衆議院の井林辰憲財務金融委員長(自民党)に対する解任決議案を提出し、これを可決した。と言っても、今国会は6月22日までなので、廃止法案が成立する見込みはない。
ガソリン暫定税率とは、1974年に道路財源の不足を理由に上乗せされた臨時の税金であった。ガソリン税は本則が1リットルあたり28.7円1/であるが、これに道路財源として25.1円2/が加算された。その後、この暫定税率25.1円は50年にわたって続き、今に至る3/。
私は、ガソリン暫定税率の廃止にまつわるこれまでの経緯で旧民主党、つまり現在の立憲民主党と国民民主党の無責任さは極めて重大な問題だと思っている。
そもそも旧民主党は、政権を取る前にこの暫定税率を問題視し、2009年のマニフェスト(公約)でその廃止を謳った(もう一つ、特定財源を廃止して一般財源化することも掲げた)。
ところが、同年9月の衆議院選挙で勝利し、政権を取るやいなや、財源確保のためこの公約を反故にして、暫定税率税率を維持・一般財源化した。暫定税率を残して自由に使える都合のよい財源にしたのは旧民主党である。
立憲民主党と国民民主党ともに、暫定税率を一般財源化して恒久化したのはおのれの所業であるという事実に口を拭い、ここに来て暫定税率廃止を唱えるのかと言いたくなる。
確かに、現在の物価上昇に対する国民の不満、そのなかでガソリン価格の高騰は国民の大きな不満である。社会情勢の変化は常にあり、政党としての方針転換はあり得る。しかし、政党として過去との整合性は説明しなければならない。
それがなければ、今回の行動、所詮、7月の衆議院選目当てのパフォーマンスと言われても致し方あるまい。
1/
24.3円(揮発油税)+4.4円(地方揮発油税)=28.7円
2/
24.3円(揮発油税)+0.8円(地方揮発油税)=25.1円
3/
厳密には、2008年4月の一ヵ月間だけ、租税特措法改正案が遅れたことで、暫定税率が期限切れで失効したことがある。