レビット報道官「日本は米に700%関税」発言に政府は大騒ぎ (2025/3/15)
今週、トランプ政権のレビット報道官が「日本は米国から輸入するコメに700%の関税を掛けている」と発言したことで、日本ではちょっとした騒ぎが起きた。
この発言を受けて、早速自民党幹部が関税ゼロで受け入れるミニマムアクセス(最低輸入量)」の仕組みがあるので、早期に反論した方がよいと記者団を前に語った2/。その三日後には、農水省がコメ(精米)を輸入する際にかかる1キロ当たり341円の関税について、昔発表した数字は778%であるが、今のコメ価格ならば関税率は280%と修正した3/。
それでは、日本政府は「関税率は700%じゃない、正しくは280%だ」と、ワシントンに乗り込んでトランプ大統領に堂々と反論しては如何ですか。きっと、トランプはこう答えるだろう。
「よし、日本車に対してミニマムアクセスを設定し、それを超えた分には280%の関税を掛けてやる」
先月28日にホワイトハウスで行われたゼレンスキーとトランプとの首脳会談を遙かに超える面白い言い争いになるだろう。
内向きの議論しかできない農水議員や農水省の役人に、とても外交交渉能力があるとは思えない。
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日本経済新聞2025.3.12
2/
農水省が2005年の世界貿易機関(WTO)交渉時に関税額を税率に換算した数字は778%。当時のコメ国際相場などを勘案したコメ価格を1キロ44円弱として、関税額341円を44円で割ったもの。(日本経済新聞 2025.3.15)
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日本経済新聞2025.3.15