ユーザーの視点に欠けるお粗末なマイナンバーカード (2025/6/10

 

 

パンデミックの教訓から政府はマイナンバーカードの普及を急ぐものの、さてさて使い勝手は今一つ。いやいや今三つくらいだろう。私はデジタル好きなので早くから利用しているが、システムの設計思想はお役所仕事の産物、利用者には使い勝手が良くない。最近、こんな経験をした。

 

1.マイポータルへの接続

 

最近システムが変更されたようで、マイナンバーカードをリーダーで読み込む際に、ブラウザーに拡張機能をインストールしなければならない。これはマイポータルのログイン画面で説明が出て来る。手順として、「1 PC用のマイナポータルアプリのインストール」 ==> 「2 ブラウザ拡張機能のインストール」 ==> 「3 ICカードリーダライタをパソコンに接続して読み取る」とある。

 

ハイ、ハイ、お安いご用。あれ、読んでくれない。読み込もうとすると、元の画面に戻ってしまう。

 

手順を読んでも、至極簡単な説明しかない。確かにブラウザ(Macのサファリです)の拡張機能に「マイポータル」は入っているので問題はないはずだ。取りあえず、OSを再起動してみよう。でもやっぱりダメ。

 

困りに困って、サファリの拡張機能をよーく見ると、下の方に「ウェブサイトの編集」というボタンがある。そこには、設定済みウェブサイトのドメインがずらっと並ぶ。見たいのは年金の連絡なので、政府のウェブだからドメインは「go.jp」だろうと当たりを付け、それを「許可」にすると、やっとカードリーダーの読み取りが出来るようになった。

 

細かな設定が必要ならば、マイポータルの説明にそれを記述すべきであるが、何も書いてない。民間企業のウェブであれば当たり前に書いてあることが、お役所のウェブにそんな丁寧さはない。パソコンの知識に疎いと、お手上げだろう。

 

2.電子証明書の更新手続

 

マイナンバーカード取得から5年目に入るので、役所から有効期限通知書が来た。市役所まで来いという。訳も分からず行ってみると、ドーってことはないパスワードの更新に過ぎない。

 

マイナンバーカードをお持ちの方なら、ご存じの通り、セキュリティレベルの違いで、4ケタの短い暗証番号と616ケタまでの長い番号の二種類がある。4ケタ番号は結構使うので、覚えているが、長い方の番号など覚えているわけがない*/。結局、長い暗証番号は無登録(抹消)にした。

 

そもそもパスワードの更新ならば、ウェブ上でできる。わざわざ役所に足を運ぶような話ではない。銀行や証券会社がパスワードの変更に店まで来いと言うか。そんなことをしたら、客は皆逃げてしまう。民間では考えられない発想である。

 

さて市役所の担当者といえば、定年退職者の臨時雇用とおぼしき人物。話していてもそれほどITの知識があるようには思えない。ついつい勘ぐってしまう。これって、定年退職者のための雇用確保の仕事作りなのだろうか?

 

依然としてマイナンバーカードの利用は遅々としているようであるが、それも宜なるかな。

 

 

 

*/  もしその番号(長い方)を更新しないと、これまでの番号(長い方)は抹消になる。私についていえば、この長い方の番号は確定申告と旅券のウェブ申請くらいで、さほど重要ではない。

 

 

 

 

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